借地権は相続税が高額になる!?借地権割合について知っておこう

公開日:2020/05/01  最終更新日:2020/05/19

「借地権は土地を借りているだけなのに税金がかかるのか」と思う方は意外に多いようです。実際、借地には固定資産税や都市計画税はかかりません。

しかし、それらは私有する不動産が対象になる税金なので、底地にかかるものとして地主が払っています。そして建物部分は借地人が私有しているので、その部分に関しては借地人も納税義務があり、借地権取得時にもいくつかの税金がかかります。

そして、借地権は借地を利用する「権利」であり、その権利に対して相続税もかかります。そこで本コラムでは、借地権相続によって相続税がいくらになるかを試算するときに有用な「借地権割合」を詳しくご紹介しましょう。

借地権割合は「緩和」するためにある

冒頭で述べたとおり、借地権は土地を借りて利用する「権利」なので、たしかにそれ相当の価値があり、相続税・贈与税の対象になります。実際、借地を活用してビジネスで大きな利益を上げる方も多いです。

また、借地契約ができれば、土地を購入することなく自宅を手に入れることができます。(月々の地代はかかりますが)。

しかし、土地を所有している訳ではありません。それなのに相続や贈与の際、借地の地価を元に納税価格を決定してしまうと、過度な重税になってしまいます。

そこで、土地の中で借地権の値打ちが占める分だけを元に決定することにしました。それが借地権割合です。つまり、借地人への過度な税負担を緩和するためにあるのが借地権割合ということになります。

借地権割合は10%ごとに決められますが、もっとも大きな割合は90%です。この割合が高ければ高いほど土地活用する値打ちの高い土地となり、当然、相続税。贈与税も高くなります。地価すべてを基準に計算するより低額にはなりますが、70%超える場合は高額な負担に感じることでしょう。

借地権割合はどうしたらわかる?

借地権割合があることで借地人への過度な税負担が緩和され、借地権の相続税・贈与税の計算に公平感が得られることがおわかりいただけたところで、次にどうしたら借地権割合がわかるか、また相続税・贈与税評価額の計算方法についてご説明したいと思います。

■借地権割合は路線価図から知ることができる
国税庁の「財産評価基準 路線価図・評価倍率表」のサイトから知ることができます。借地の住所を検索すると該当の地図が浮上。道路部分に数字とアルファベットの組み合わせが記入されており、その数字の部分が1㎡あたりの土地の評価額で、アルファベット表記されているのが借地権割合です。

■アルファベットが示す借地権割合は?
Aが90%、Bが80%、Cが70%というように、10%ごとにGの30%まで表示されています。

■路線価が書かれてない場合はどうするか
市街化調整区域などでは、路線価がついていない「倍率地域」と呼ばれる地域があります。倍率地域では評価倍率表を参照することで借地権割合を調べます。

■借地権の相続税評価額の算出方法
相続税評価額は、所有権を持っている土地としての評価額(=自用地評価額)に借地権割合をかけることで算出できます。

【借地権の相続税評価額=自用地評価額×借地権割合】

試算例)自用地評価額が1,000万円、借地権割合が60%の場合
借地権の相続税評価額=自用地評価額1,000万円×借地権割合60%=600万円

相続してしまう前に売却を検討しよう

借地権の相続税評価額の試算方法についてご紹介しました。既述ですが、借地権割合は高ければ高いほど土地活用する価値が高いということになります。

しかし、どんなに土地活用する価値が高い借地であっても、ビジネスがうまくいかない場合もあります。また、借地に建っている自宅も相続したとしても相続者の現状の生活エリアと異なる場合には無用のものです。

賃貸できればまた話は別ですが、自宅が老朽化している場合などはむずかしいことと思います。そして、賃貸できたとしても相続者が遠方住まいの場合には、管理を委託することになり、その委託にかかる経費を差し引けばさしたる収入にもならないでしょう。

借地を活用したビジネスが思うような成果をあげていない場合、借地に建っている自宅に住まない場合など、相続者が借地をうまく活用できない・活用する予定がない場合は、相続をする前に売却してしまうのがおすすめです。

その場合、まず、地主に許可を得ないといけません。顔見知りであればまだしも、そうでない場合、この段階で話がこじれてしまうことも少なくありません。また、相続については税理士や法律家への相談など、さまざまな専門家ともやりとりが必要になり、相続者などが本人だけで動くには大きな負担がかかるでしょう。

もっともおすすめなのは借地権売却に専門的な仲介業者に相談することです。地主との交渉にも経験やノウハウを持っており、すぐれた仲介業者であれば専門家とも太いパイプがあるので、ワンストップでの対応が可能です。

借地権の買い取り業者の場合、転売時の利幅を考えて、買い叩かれるおそれもあります。そして、相続してしまってからではどうにもなりませんので、その前に借地権仲介業者に相談してみるのが賢明でしょう。

まとめ

借地権割合についてご紹介しました。借地権割合があることで、借地権の相続税・贈与税の過度な税額になることが緩和されること、借地権割合を利用して相続税に必要な土地評価額が算出できること、借地権の相続税評価額の試算方法などもご説明しました。

そして、借地権の相続税額は場合によっては土地活用の現状に比して割高になることもおわかりいただけたかと思います。借地権を活用する予定がない場合、相続する前に借地権仲介業者に相談されることがおすすめです。

借地人が直接売却に向けて動くより、専門業者に依頼するほうがスムーズな売却へと誘導してもらえるでしょう。また、相談するときは借地権買い取り業者でなく、価格的には仲介業者のほうがより安心であることも忘れないでくださいね。

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