立地・広さも確保できる?借地権を利用して「都心のマイホーム」を叶えよう
借地権というと、どんなイメージをお持ちでしょうか。例えば、自分のものにならないというイメージが先行し、抵抗がある人も多いと思います。しかし、コストや住宅ローンの支払いを抑えることで、手が届かなかった立地や広さのマイホームが実現するというメリットがあります。今回は、借地権を活かしたマイホームについてご紹介いたします。
借地権にはこんなメリットがある!
土地を購入する費用は、とても高いですよね。土地を購入する場合と、借りる場合では、どちらがよいのでしょうか。もちろん、購入する方のライフプランや資金力によって変わってきます。では、借地権で得られるメリットはどんなものがあるのでしょうか。
■価格が安い
大きなメリットの一つは、価格面で安いことがあげられます。とくに都心では、土地の値段が高いため、土地を含めて購入することはなかなか難しいこともあるでしょう。しかし、借地権を活かすことで、土地の値段を下げることができます。
■税金を支払う必要がない
土地の所有者には、固定資産税や都市計画税が課されます。借地権の場合、土地はあくまで借りていることになるので、これらの税金を支払う必要がありません。都心での固定資産税は、大きなことが予想されますので税金を支払う必要がないことは、メリットといえるでしょう。
借地権の種類とは
借地権とは、建物を所有するために、第三者の土地を借りる権利のことをいいます。借地権の種類は大きく分けて3つあり「旧借地権」「普通借地権」「定期借地権」が存在します。では、どのような内容か詳しく見ていきましょう。
■旧借地権について
1992年(平成4年)8月以前から土地を借りている場合は、借地法(旧法)が適用されます。契約期限は決まっていますが、更新することで、半永久的に借りることができます。
■普通借地権について
普通借地権は、当初の借地期間が30年以上、1回目の更新が20年以上、2回目以降の更新は10年以上となっています。また、借地人が望めば、契約は自動更新されます。
■定期借地権について
定期借家権は、期間満了後に土地を更地にして地主に返還しなければなりません。文字通り、期間の定めがあるのが特徴で「一般定期借地権」では、50年以上とするのが一般的です。
借地権を活かせばマイホームがより手の届きやすい価格に!
実は、所有権と借地権の35年間の支払い額の差はおおよそ2,000万円といわれています。借地権を活かすことで、マイホームがより手の届きやすい価格になります。では、具体的に見ていきましょう。
■都心でのマイホームがより具体的に
所有権と借地権の支払い額の比較によると、35年の住宅ローンを組んだ場合、所有権と借地権の支払額に約2000万円の差がでます。土地の値段だけではなく、固定資産税などの税金を支払う必要がないこともあげられます。都心でのマイホームを検討すると、土地の価値は郊外と比べ、金額も大きくなります。結果、固定資産税も上がるのです。土地を所有しないことで生まれる経済的な余裕は、暮らしにゆとりをもたらしてくれるのです。
万一借地に建てた家を売却することになったら…
もし、借地権付きの不動産を売却するにはどうすればよいのでしょうか。借地権や借地権付きの不動産を売却しようとしたとき、このように悩む方も多いでしょう。借地に建てた家を売却することになった場合に、失敗しないためのコツと注意点を解説いたします。
■借地権を地主に売却する
借地借家法第19条第3項により、借地人が第三者に借地権を譲渡しようとするとき、地主が申し立てを行うことで優先的に借地権を買い受ける権利(介入権)が定められています。この規定により、地主は自らの土地の借地権が第三者にむやみに売却されるのを防ぐことができます。借地権の内容や売却の手順・ルールをよく理解して、スムーズに売却を成功させることが望ましいです。
■借地権を第三者に売却する
地主が、借地権を買い戻さない場合には、個人や不動産会社などの第三者へ売却を検討しましょう。借地権を第三者に売却する場合、個人の買い主や不動産会社に買取を依頼することができます。不動産会社を通して第三者に借地権を売却する際は、借地権付き住宅として売却することがほとんどです。借地権を一般的な不動産と同じように扱うと、売却できないどころかトラブルに発展するケースもあるので注意しましょう。
■地主と協力して借地権と底地権を第三者に売却する
借地権と底地権を同時に売却した場合、買い主は所有権を得ることができるため不動産の価値が高くなります。借地権・底地権のどちらか一方のみを売却した時よりも、高額での取引が期待できるでしょう。しかし、借地権と底地権を一緒に売却するためには、地主との交渉や説得が必要になります。土地の持ち主はあくまで地主です。売却を決めたら、早い段階で地主に伝えておくとその後の交渉もしやすいでしょう。
いかがでしたでしょうか。都心でのマイホームを考えている方は、借地権の土地によって、コストや月々の住宅ローンの支払いを抑えることができます。所有権では、手が届かなかった立地や広さのマイホームが実現するというメリットがありました。都心でのマイホームをあきらめず、借地権を活かしたマイホームを検討するのはいかがですか。