地主が「国」「地方公共団体」の場合借地権は売却できる?

公開日:2020/06/01  最終更新日:2020/06/02

建物は一般的に、自分が保有する土地に建設されるものですが、借地に建設することもあるでしょう。さらに言えば国有地を借りていて、そこに建物を造るということもあるのかもしれません。

実は、国有地の借地権が必要なくなると、売却や処分が難航するとされています。今回は、不要になった国有地の、借地権が絡む売却方法について、詳細を解説させていただきますので、ぜひご一読ください。

借地が国や地方公共団体に渡る条件

■土地の所有者が国や地方公共団体に移るケース
地主が国や地方公共団体になるケースは実際あります。たとえば、地主側に相続が生じ、相続税の支払いが困難な場合は、物納という形が取られるでしょう。また、地主側に相続人が存在しないと、国庫へ帰属し、国(詳細には財務省)や、地方公共団体が、実質地主となることは、あり得ます。

■借地権を国や地方公共団体に売却することは可能か
通常の地主(個人)だと、借地権の売却交渉などに着手することが可能でしょう。ですが、国や地方公共団体への借地権売却は、あまりに難航することから、現実的な選択肢とは言えません。そのため、第三者へ売却を検討するのが必然となるでしょう。また借地権の譲渡は、租税特別措置法第34条に基づき、国や地方公共団体などが借地権の買取をすることはありません。

■第三者への売却に国や地方公共団体が承諾することはあるか?
借地権を、国や地方公共団体が直接買取に応じない場合、第三者へ売却を試みることになるでしょう。その場合、地主の許可が必要となります。借地権の譲渡には、国や地方公共団体の許可を取り付けなければなりません。この件については、国や地方公共団体が承諾しないという事態になることあまりないので、心配しなくてもいいでしょう。

国有地の借地権を売却したい! その方法とは?

国が国有地の借地権の買い戻しをすることは、期待薄と考えていいでしょう。だからといって、国有地の借地権を買い取るにも、買取価格次第では現実的ではない実例もあります。また、先述したように、国有地の借地権を第三者に売却するには、国からの許可を得なければなりません

■借地権の買い戻しを国や地方公共団体がする可能性は低い
借地が民有地だと、条件や交渉によっては借地権を地主に買い戻せる見込みはあるでしょう。というのも、地主が借地権を買い戻せば、土地の権利をまるっと得られるので、価値を高めることに繋がるからです。反面、民間に貸し付ける国有地は、国や地方公共団体が、利用価値が低いとしているため、借地権を得ることにメリットを見出していません。そのことから、買い戻してしまうより、貸し付けた方が、国や地方公共団体にとって都合がいいのだと捉えられるでしょう。

■国有地の買取は不可能に近い?
民有地の場合と同様に、国から払い下げを受けて国有地を買い取り、民有地化して、第三者に売却することもできます。ですが、事業用の目的で、面積が広い国有地を借りているとなると、比例して買取価格も高く付きます。そのため、事業を畳むことを前提に借地権を処分する意図があっても、買取後に民有地化して売り払う方法では、採算が取れなかったり、買取価格の工面が困難になるでしょう。そのような場合は金融機関の融資も、あまりいいやり方とは言えません。

■国有地の借地権売却の際に得る国の許可について
国有地の借地権の売却には、地主の立場である国や地方公共団からの許可を得ることが必須です。それに際し、承諾の対価として、賃借人から賃貸人へ「名義書換承諾料」を支払わなければなりません。名義書換承諾料の金額は、「名義書換時の相続税評価額×借地権割合×10/100」という、財務省の通達による計算を元に、算出されるようになっています。ちなみに、借地権割合は、国税庁によって公表されている「路線価図・評価倍率表」からチェックできるので、見ておきましょう。

国有地の借地権は「同時売却」できるけど…

国有地の借地権の処分方法の中で、もっともベターなのは、借地権と底地権をセットで売却する「同時売却」になります。同時売却することで、買主は所有権を完全に取得できるようになり、借地権と底地権を各々別個で売却するよりも高値がつきやすいでしょう。また、民有地として売り出されると、買い手がつきやすいメリットもあります。

が、この同時売却は、さまざまな協議や交渉、申請、審査の工程を踏まなければならず、さらに「同時」と言いながら、借地権と底地権の売却交渉は、それぞれ別に行われる形になるでしょう。

こういった要素から、同時売却をするのであれば、この手続きのプロフェッショナルである専門の不動産業者のサポートを受けることをおすすめします。専門知識を持った業者のサポートを受けることで、提携する税理士や弁護士から、節税や借地権などの法令上の助言も受けられるので、ぜひ試してみましょう。

まとめ

国や地方公共団体が保有する借地の売却は、可能といえば可能ですが、その段取りは難しく、単独で行うのは現実的ではないということは分かっていただけたでしょうか?ただし、その筋の不動産業者に頼めば、そのややこしい手続きがスムーズに進むので、この方法がもっとも安心です。

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